vol.9 重いけど軽い器

夏が短い。夏の峠を越えたことが、ここのところ肌ではっきりと感じる。

特に今年の夏は、梅雨に入るのも遅く、それ故に明けるのもずいぶんと遅かった。肌が焼けるようなジリジリした日差しも、思い返すとあっという間でした。

そんな先日、夏の終わりを感じる骨董市で、アフガンの鉢を見つけました。ヨーロッパの陶器だよ とおじさんは言う。

中東へ行ったこともない私が手にしたところで、商品として扱うには説得力に欠けるよなぁ〜などと思いながらも、今の気分にぴったりで買わずにはいられなかった。

なんと言っても自由な絵付け。重い器は時に食器棚を圧迫し、精神的な負担にもなるけれど、台所に置いたアフガン鉢を見るたびに、なぜかこちらも自由になれるような、軽やかさに似た空気を与えてもらえる。

肉厚な高台から口元へ広がった形は、夏野菜や果物を大きく切って盛る姿が本当によく似合う。飾ることが使う事だとも心底思うけど、アフガン鉢に関しては、やっぱり実用として使いたい。裏面の乾燥はしっかりと、忘れるなかれ。

そして使わない時には、目に見える場所に置いて、自由な力を注ぎ続けてもらおうと思います。